「もう考えたくない…」が口癖になっていませんか?

何を食べよう?
何を着ていく?
私たちは、毎日、非常に多くの「小さな決断」をしています。
ある研究では、その数はなんと1日35,000回にも及ぶとも言われています。
こうした小さな決断の積み重ねが、気づかないうちに心のエネルギーを削っていく——
この現象は「決断疲れ」と呼ばれていて、時間が経つにつれて判断の質が下がっていくといいます。
あれもこれも考えていたら、「もう何も考えたくない」ってなってしまいますよね。
小さな選択が、大きな疲労になる
たとえば、夕方にネットショッピングをしていて、
「なかなか決められない」「選べない」と感じたことはないでしょうか?
それは単に集中力が切れただけではなく、朝からずっと何かを“選び続けてきた”結果かもしれません。
「どうする?」と自分に問い続けることは、それ自体がエネルギーを消費します。
私自身も、仕事終わりに「あれこれ考えるのが面倒」と感じるときは、夕飯や買い物の判断を誰かにお願いしたくなります。
でも、それって“甘え”ではなく、脳の自然なSOSなんですよね。
誰かを頼ることは悪いことではないです。
むしろ、信頼関係を構築するうえでは絶対に必要なことです。
決断を「減らす」という選択
そこで効果的なのが、「毎回悩まない仕組み」をつくることです。
たとえば:
- いつも同じ服を着る
- 朝食を固定メニューにする
- ランチは曜日ごとにお店を決める
- 休憩中に見る動画を「3つまで」に絞っておく
これらはすべて、「悩まなくていいように先に決めておく」工夫です。
”自動化”に近いですね。
Apple創業者のスティーブ・ジョブズや、Metaのマーク・ザッカーバーグも、同じ服を着ることで判断力を温存していたのは有名な話です。
判断力がどれほど重要なのかを実感させられますね。
「意思を守る」という優しさ
決断疲れの予防は、単なる“効率化”の話ではありません。
自分の「こうしたい」という感覚を守るための仕組みづくりでもあります。
毎回迷って、疲れて、自分がどうしたいのかもわからなくなっていく——
そうなる前に、「私はこれはこうする」と先に決めておくことで、心の輪郭が保たれる気がします。
私たちの意思は、意外と小さなことで揺らぎます。
だからこそ、日常の中で守る努力をしてあげたいですね。
「報われない」と感じる前に
決断疲れに気づかないまま働き続けていると、
「こんなに頑張ってるのに、なぜか報われない」
という感覚に繋がることもあります。
もしそんな風に感じる日があったら、
一度立ち止まって、「ちゃんと整える」という選択肢を持ってみてください。
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「がんばってるのに、うまくいかない」——そんなときの整え方については、こちらで少し深く書いています。

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参考にした本:
この記事で触れた「決断疲れ」や、「意思の力をどう使うか」といったテーマについては、
ロルフ・ドベリ著『Think clearly』という本に深く影響を受けました。
思考法を整理してくれる、私のお気に入りの一冊です。
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