「理解できないこと」を理解する

あなたは、パートナーや異性の友人と話していて、「なぜ伝わらないのだろう?」と感じたことはありませんか?
多くの人が、一度はこのような体験をされているのではないでしょうか。
どれほど丁寧に説明しても、相手には届いていないような感覚——。
では、どうしてうまく伝わらないのでしょうか。
それは、男性と女性では、コミュニケーションの仕方が違うからかもしれません。
「理解できない」を理解する
多くの人が、「自分はこう思うから、相手も同じだろう」と考えてしまうのではないでしょうか。
でも、それではうまくいかないことが多いものです。
そこで考えてみていただきたいのは、男性と女性には、それぞれ異なる傾向があるということです。
「男性はこういう傾向があり、女性はこういう傾向がある」という前提で関わってみると、不思議なことにコミュニケーションがスムーズになることが多いのです。
もちろん、すべての男性、すべての女性が同じではありません。
それでも、大まかな傾向を知っておくだけで、相手への理解が深まるはずです。
また、同性同士でも個人間では異なる部分も多いですが、今回は異性ということに焦点を当ててみます。
そこで、何より大切なのは、「異性が理解できないこと」があるということを、互いに理解しておくことだと思います。
理解できないものは、理解できないもの。
それを受け入れて、互いに歩み寄る姿勢が大切なのかもしれません。
小さな誤解から生まれる大きな溝
たとえば、こんなケースがあります。
女性がパートナーの男性に対して「かわいいね」と言ったところ、その男性は不快に感じました。
そして、女性は「褒めたつもりなのに、なぜ嫌がられたのだろう?」と困惑してしまいます。
この場面から見えてくることがあります。
女性が男性に対して使う「かわいい」という表現。
この場合は、「あのアイドルがかわいい」のような意味ではなく、「愛らしい」「愛おしい」といった、深い愛情を表現する言葉のはずですよね。
でも、男性が「かわいい」という言葉から想像するのは、どうしても「キュート」「可愛らしい」といったイメージになってしまいます。
男性は「かわいい」という表現を女性や動物に対してしか使わないので、女性が言ったそのままの意味で理解できないんですよね。
この小さなすれ違いが、時として大きな溝を生んでしまうことがあります。
伝え方を変えてみる
では、このような場合、どうすれば良いでしょうか。
まず、男性は、違和感があっても女性の気持ちを汲み取って、「愛されているんだな」と受け取ってみるのが良いですよね。
そして女性は、誤解を与えないように「愛らしい」「愛おしい」と、より具体的に伝えてみるのが良いです。
「直接的な表現になるのでハードルが高い」と感じる場合は、「こういう意味で言っているんだよ」と伝えてみるのも良いかもしれません。
たった一つの言葉の投げ方や受け取り方を変えるだけで、関係性がぐっと良くなる可能性があります。
これは、どちらが正しい、間違っているという話ではありません。
ただ、お互いの特性を理解して、少しずつ歩み寄ってみるということが大切です。
それだけで、今まで見えなかった相手の気持ちが見えてくるような気がします。
完璧な理解よりも、思いやりを
私たちは、相手を完全に理解することはできません。
でも、「相手を理解しようとする気持ち」は持つことができます。
「相手は自分とは違う考え方をしているのだな」と受け入れることもできます。
そして、その違いを責めるのではなく、むしろその違いを面白がってみる。
「そういう見方もあるのか」と、新しい発見として楽しんでみる。
そんな余裕があれば、コミュニケーションはもっと豊かになるのではないでしょうか。
その違いを認め合い、尊重し合うことができれば、もっと深いつながりを築けるような気がします。
そして、互いが納得できる落とし所を見つけていったら良いと思います。
もしパートナーや異性の友人とのコミュニケーションで悩んでいるなら、一度この視点で考えてみてください。
「理解できないこと」を理解して、そっと歩み寄ってみる。
それがきっと、より良い関係性への第一歩になると思います。