「好かれたい」が疲れる理由と対処法|自分を見失わずに人間関係を築く方法
「相手が返してほしいだろう言葉を返しています」
献身的な人がこのような発言をするのをよく耳にします。
もっともらしい言葉に聞こえますが、これは本当に相手のためになっているのでしょうか?
- 好かれたい
- 認められたい
- 褒められたい
そんなことばかり考えて、相手に合わせる毎日——気がつけば、自分が何を考えているのかさえわからなくなっていませんか?
この記事では、「好かれたい」という気持ちが強すぎることで起こる問題と、自分を見失わずに人間関係を築く方法をお伝えします。
「好かれたい」と思うのはなぜ?
まず、「好かれたい」という気持ちは、決して悪いものではありません。
むしろ、誰もが持っている自然な感情です。
心理学者のマズローが提唱した「欲求階層説」では、人間には5つの段階的な欲求があると言われています。
その中の第3段階が「社会的欲求」です。
これは、集団に所属したい、誰かに愛されたいという欲求のことですね。
つまり、好かれたいと思うことは、人間として当たり前のことです。
嫌われたくない恐怖
でも、「好かれたい」が強すぎると、「嫌われたくない」という恐怖に変わってしまうことがあります。
職場で何か意見を言おうとしたとき、「これを言ったら嫌われるかもしれない」と口をつぐんでしまう。
友人との会話で、本当は疲れているのに「大丈夫」と無理をしてしまう。
そんな経験はありませんか?
嫌われることへの恐怖が、あなたの選択を縛っているのかもしれません。
承認欲求の強さ
- 誰かに認められたい
- 誰かに褒められたい
そんな承認欲求も、誰もが持っているものです。
でも、それが強すぎると、他者の評価に依存してしまいます。
相手の反応次第で、自分の価値が揺らいでしまうんですよね。
承認欲求については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
→ SNS疲れの対処法|承認欲求と情報過多から解放される5つの方法
「いい人」でいたい願望
「いい人=断らない人」だと思っていませんか?
頼まれごとをされたとき、本当は忙しいのに、つい「大丈夫です」と答えてしまう。
そうすることで、「いい人」だと思われたいという願望があるのかもしれません。
でも、「いい人」でいることが、自分を犠牲にすることになってしまっては、本末転倒ですよね。
断ることについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 断れない性格で疲れるあなたへ|心を守る断り方と境界線の引き方
「好かれたい」が強すぎるとどうなるのか?
「好かれたい」という気持ちが強すぎると、いくつかの問題が起こってきます。
自分の本音がわからなくなる
相手に合わせることばかり考えていると、いつのまにか「自分自身」が「自分以外の何者か」になってしまいます。
そして、気づかないうちにそれが「自分自身」だと信じ込んでしまうんですよね。
自分の言動が「他人の機嫌を取るためだけのもの」に変わっている。
そんな状態を続けていると、ある日ふと「私は何がしたいんだろう」と思う瞬間が訪れます。
それは、自分を見失っているサインかもしれません。
慢性的な疲労感とストレス
常に相手の顔色を伺いながら生きていると、心も身体も疲れてしまいます。
- 本音を言えずにストレスが溜まる
- 相手の期待に応えようとして無理をする
そんな毎日では、休んでも疲れが取れないですよね。
慢性的な疲労感に悩んでいる方は、こちらの記事もご覧ください。
→ 疲れた何もしたくないときの対処法|立ち止まる勇気と過剰のワナから抜け出す方法
「いい人」を演じ続けることの代償
「いい人」を演じ続けることは、とてもエネルギーを使います。
誰にでも良い顔をしようとして、八方美人になってしまう。
そうすると、誰からも「都合のいい人」と思われてしまうかもしれません。
そして、いつか限界が来てしまうんですよね。
人間関係が健全でなくなる
無理をして引き受けた結果、相手に迷惑をかけてしまうこともあります。
相手が過剰に期待してしまったり、ストレスが限界を超えると、関係が突然切れてしまったり——。
お互いに無理をしていない関係こそ、長く続く関係なんですよね。
人間関係の整理については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 人間関係に疲れたときの整理術|付き合う人を選んで心を軽くする方法
他人の心は完全にはわからない
ここで、大切なことをお伝えしたいと思います。
それは、「他人の心は完全にはわからない」ということです。
心理学者の河合隼雄氏は、次のように述べています。
一般の人は心がすぐわかると思っておられるが、人の心がいかにわからないかということを、確信をもって知っているところが専門家の特徴である
人の心について、深く考えている人ほど「相手のことはわからない」ということを受け入れているんですよね。
相手の期待を推測することの限界
「相手が返してほしいだろう言葉を返しています」
冒頭で紹介したこの言葉。
当たり前のことですが、他人の思考を完全に理解することは不可能です。
あなたが超能力者でもない限り、その言葉が裏目に出る可能性も十分あります。
「相手が返してほしいだろう言葉」の問題点
自分の考えを手放し、誰のものでもない言葉を返すことには、果たしてどれほどの価値があるのでしょうか?
それだと、自分の言動が「他人の機嫌を取るためだけのもの」に変わってしまいます。
相手が望んでいる言葉を推測して、それに合わせて自分の感情を偽る必要はないです。
コントロールできない他者の感情よりも、自分自身の感情に目を向けることのほうが、健全な選択ですよね。
「好かれたい」をやめる方法:自分を取り戻すために
それでは、具体的に「好かれたい」という気持ちに振り回されないための方法を見ていきましょう。
ステップ1:自分の感情に正直になる
まずは、自分の感情に正直になることから始めましょう。
自分は何を言いたいのか。
何をやりたいのか。
そう自問してみてください。
「本当は疲れているな」
「本当はこれをやりたくないな」
そんな小さな気持ちに、まず気づいてあげることが大切です。
自分の気持ちを否定せず、認めてあげる。
それが、自分を取り戻す第一歩になるんですよね。
ステップ2:伝えられる関係を築く
相手の心を読もうとすることよりも、どんなことでも伝えられる関係を築こうとすることのほうが重要だと思います。
言いたいことは言えばいいと思うし、言いたくないことは言わなくていいと思います。
相手としては、あなたが言いたくないこと、言いにくいことを察するのはなかなか難しいですからね。
良くも悪くも言葉にしなければ伝わらないです。
本田健氏の代表作『ユダヤ人大富豪の教え』に登場する老富豪は、次のように述べています。
周りの望むことを上手にこなす人生を生きてきたなら、自分が何者かわからなくなるのも当然だ。
自分の気持ちに正直になって、それを言葉にする。
そんな関係を築くことが、健全な人間関係への第一歩なのかもしれません。
自分の気持ちを伝える方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
→ Iメッセージの使い方|相手を尊重しながら自分の気持ちを伝えるコツ
ステップ3:小さな「NO」から始める
いきなり大きな依頼を断るのは難しいですよね。
だからこそ、日常の小さな場面で「NO」を言う練習をしてみてください。
- ランチの誘いを「今日は忙しいので、また後日よろしくお願いします」と断る
- ちょっとしたお願いを「今は手が離せないので、後でもいいですか?」と伝える
小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ断ることへの抵抗感が減っていきます。
断る練習については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 断れない性格を改善する方法|他人の評価に振り回されない生き方
ステップ4:感情が不安定なときは発言を控える
ただ、感情が不安定なときは、発言を控えることが望ましいです。
そのような状態では、誰かを傷つけてしまう可能性が高いです。
我慢せずに伝えた結果、相手が悲しむのと、攻撃的な発言をした結果、相手が悲しむのでは、意味が違いますからね。
自分の感情が落ち着いてから、冷静に伝える。
そんなふうに、タイミングを見計らうことも大切です。
ステップ5:相手の反応を自分の責任にしない
「断ったらどう思われるだろう」
そんな不安があるかもしれません。
でも、断った後の相手の気持ちは「相手のもの」です。
あなたが背負う必要はありません。
これは、アドラー心理学で言う「課題の分離」という考え方です。
相手の感情や判断は相手のもの。
それを自分が背負う必要はないんですよね。
その結果、相手が不機嫌になったり、悲しんだりしても、その相手の感情の責任をあなたが引き受ける必要はないです。
引き受けてしまうと、あなたが我慢し続けることになります。
他人の期待に応えることについては、こちらの記事もご覧ください。
→ 他人に期待しない方法|心を守る考え方と人間関係を楽にする5つの実践ステップ
本当に大切なのは「好かれること」ではなく「自分らしくいること」
最後に、大切なことをお伝えしたいと思います。
自分を大切にすることは自己中心的なことではない
自分の感情に正直になることは、決して自己中心的なことではありません。
むしろ、他者を大切にするための第一歩なんですよね。
自分を大切にできる人は、他人も大切にできます。
自分らしくいられる人は、他人に対しても優しくいられます。
自己肯定感を高めることの重要性
「自分には価値がある」と思える感覚。
それが、自己肯定感です。
自己肯定感を高めることで、他者の評価に振り回されずに生きられるようになります。
自己肯定感については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 自己肯定感を高める7つの方法|Doing・Being・Havingの3つの軸でバランスを整える
1:7:2の法則:全員に好かれることは不可能
心理学には「1:7:2の法則」というものがあります。
これは、どんなに素晴らしい人でも、1割は何をしてもあなたと敵対する人、7割は普通の存在だと思う人、2割は何をしてもあなたを好きになる人、という法則です。
つまり、全員に好かれることは不可能なんですよね。
どんなに素晴らしい人でも、必ず批判する人はいます。
それは、皆が違う価値観や経験を持っているからです。
だからこそ、全員に好かれようとすることをやめてもいいのかもしれません。
他人と比較してしまう癖については、こちらの記事もご覧ください。
→ 他人と比較してしまう癖をやめたい|昨日の自分と比較する成長の考え方
どんなことでも伝えられる関係を築くことの方が重要
相手の心を読もうとすることよりも、どんなことでも伝えられる関係を築くことのほうが重要です。
- 本音を言い合える関係
- お互いに無理をしない関係
そんな関係を築くことが、本当の意味での健全な人間関係なのではないでしょうか。
まとめ:「好かれたい」から「自分らしく」へ
「好かれたい」という気持ちが強すぎると、自己喪失につながります。
でも、他人の心は完全にはわからない。
だからこそ、自分の感情に正直になり、伝えられる関係を築くことが大切なんですよね。
小さな「NO」から始めて、自分を取り戻していく。
今日から少しずつ、他人の評価よりも自分の気持ちを大切にしてみませんか。
それが、あなた自身の人生を生きる第一歩になるはずです。
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