借りているのはお金だけじゃない?

借金とは「お金を借りる」ということです。
当たり前ですね。
借金というと、消費者金融のイメージが強いかと思いますが、お金を借りていれば借金なんですよね。
そのため、ローンも奨学金も借金です。
そう考えると、借金というのも案外幅広いですよね。
「借金」というと悪いイメージしかないのですが、「ローン」や「奨学金」というと聞こえが良くなるのが不思議です。
「ローンを組めた」「奨学金をもらえた」というのが一種のステータスとして扱われることさえあります。
もう少し踏み込んでみると、クレジットカード払いも借金ですよね。
ここまで含めると、成人している人のほとんどは何かしら借金をしているんじゃないかなと思います。
私自身、支払いはすべてクレジットカード払いなので、「常に借金をしている」と言えます。
今の時代、クレジットカードは何を買うにも便利ですよね。
クレジットカードは、クレジットカード会社が一旦支払いを負担して、翌月に利用した分だけ口座から引き落とされる仕組みです。
そのため、約1ヶ月間、クレジットカード会社に借金してますよね。
ただ、見方を変えるともうひとつ借金をしているんですよね。
それは、未来の自分からの借金です。
利用したときに支払いは発生しないので、未来の自分がその分だけお金を持っていたら良いわけです。
未来の自分からお金を前借りしている——つまり、借金しているということです。
利用したときに支払いが発生しないと、「お金を使っている」という感覚が薄れてしまいます。
そのため、多くの人が使い過ぎてしまうんですよね。
これがクレジットカードの怖いところです。
そして、一度、自転車操業(給料が振り込まれても前月の支払いでほとんどなくなってしまう状態)に陥ってしまうと、そこから抜け出せなくなってしまいます。
- 手元にお金がないからクレジットカードを使う
- クレジットカードを使うと翌月の支払いが増える
- 翌月の支払いが増えると手元にお金が残らない
という悪循環に陥ります。
このような状態になると目先の支払いのことしか考えることができません。
「今欲しいものが手に入ればそれでいい」
「未来の自分がなんとかしてくれる」
そう考えてしまいます。
よく耳にする話ですよね。
意志力だけで抜け出そうとするの非常に難しいので、悪循環に陥る前に、常に余裕が持てるように心がける必要があります。
普段は本当に必要なものだけを買うようにして、余裕が大きくなったらそこで浪費を楽しんだら良いのかなと思います。
ここまでの話は本当に当たり前のことです。
「誰もがなんとなくわかってはいるけど、実行するのが難しい」というだけのことですよね。
でも、この「借金」って時間や健康にも同じことが言えないですか?
「今忙しいから」という理由で今やるべきことを後回しにするのは、未来の自分から時間を借りているのと同じです。
それが積み重なっていくと、眼の前の作業を終わらせることに精一杯になって、本当に大切なことを見落としてしまうかもしれません。
体調が優れないのに病院に行かないというのは、未来の自分から健康を借りているのと同じです。
それが積み重なっていくと、将来、やりたいことが何もできない身体になっているかもしれません。
そのような日々を過ごして後悔する人は非常に多いです。
その一方で、「もっと働けばよかった」「もっと他人の期待に応えておけばよかった」と後悔する人はひとりもいないと言います。
自分が本当に大切にするべきものは何なのか、改めて考え直したいですね。