人間関係

優しい嘘と誠実さのバランス|嘘をついた罪悪感との向き合い方

Shunsuke

15分前に着いていたのに「私も今来たところだよ」と言う。
聞かれたくないことを聞かれて、曖昧に答える。

こうした「優しい嘘」は、本当に悪いことなのでしょうか。

「嘘をついてしまった」「正直に言えなかった」と、自分を責めてしまうことはありませんか?

嘘をついた自分を責める必要はありません。
大切なのは、その後どうするかです。

この記事では、優しい嘘と誠実さのバランス、そして嘘をついた後の向き合い方についてお伝えします。

優しい嘘とは?悪い嘘との違い

まず、「優しい嘘」とは何かを整理してみたいと思います。

優しい嘘の定義

優しい嘘とは、相手を傷つけないためにつく嘘のことです。

自分を守るための嘘ではなく、相手を気遣うための嘘。

たとえば、こんな場面があります。

  • 待ち合わせに早く着いていたのに「私も今来たところ」と言う
  • 相手の料理があまり口に合わなくても「美味しいね」と言う
  • 相手が気にしていることを聞かれて、やんわりと別の話題に変える

これらは、相手を傷つけないため、相手に余計な気を遣わせないための嘘です。

悪い嘘との違い

では、「悪い嘘」とは何でしょうか。

大きな違いは、「誰のための嘘か」という点にあります。

優しい嘘は、相手のためにつく嘘。
悪い嘘は、現実から逃れるため、または相手を騙すための嘘です。

たとえば、自分の失敗を隠すためにつく嘘や、相手を操作するためにつく嘘は、優しい嘘とは言えません。

「嘘も方便」の本来の意味

「嘘も方便」ということわざがあります。

これは、「物事をスムーズに運ぶためには、時として嘘も必要である」という意味です。

もともとは仏教の教えに由来しています。

火事になった家から子どもたちを救うために、「外に珍しいものがあるよ」と嘘をついて避難させた、という話が由来です。

つまり、「嘘も方便」は自分が有利になるための嘘ではなく、相手に利益をもたらすための嘘を指しているんですよね。

多くの人が「優しい嘘は必要」と考えている

ある調査では、75%の人が「優しい嘘は必要だ」と回答しています。
また、約7割の人が「優しい嘘をついたことがある」と答えています。

キレイごとだけでは、人間関係は成り立たないのかもしれません。

優しい嘘は、人間関係を円滑にするための、ひとつの知恵なのだと思います。

なぜ嘘をついた自分を責めてしまうのか?

それでも、嘘をついた後に罪悪感を感じることはありますよね。

なぜ、私たちは嘘をついた自分を責めてしまうのでしょうか。

「正直であるべき」という価値観に縛られている

私たちは幼い頃から、「嘘をつくのは悪いこと」と教わってきました。

その教えは大切なものですが、時に自分を縛りすぎてしまうことがあります。

「正直でなければならない」という考えが強すぎると、小さな嘘にも過剰に罪悪感を抱いてしまいます。

罪悪感と「バレたらどうしよう」という不安

嘘をついた後は、罪悪感だけでなく「バレたらどうしよう」という恐怖感にも襲われます。

その不安を抱えながら過ごす時間は、仕事中だけでなくプライベートにも及びます。

趣味や団らんの時間も、どこかで嘘のことが頭をよぎって、心から楽しめなくなってしまうこともあるかもしれません。

完璧主義的な思考

「少しでも嘘をついたら、自分は誠実ではない」

そんなふうに考えてしまうことはありませんか?

完璧主義的な思考は、自分を追い詰めてしまいます。

誠実さは「資格」のように一度手に入れたら終わりのものではなく、日々の行動で育てていく「状態」です。

時には必要な嘘もあると、個人的には思います。
少しの嘘をついたからといって、あなたの誠実さがすべて失われるわけではありません。

誠実さについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
誠実な人の特徴とは|信頼を築くために大切な「小さな約束」の重み

嘘と誠実さのバランスをどう取る?

「誠実でありたい」という気持ちと、「相手を傷つけたくない」という気持ち。

この二つのバランスを、どう取ればいいのでしょうか。

誠実さは「嘘をつかないこと」だけではない

誠実さとは、単に「嘘をつかないこと」だけを指すのではありません。

  • 相手のことを思いやること
  • 約束を守ること
  • 言行一致を心がけること

これらすべてが、誠実さの要素です。

小さな優しい嘘をついたからといって、あなたの誠実さが否定されるわけではないです。

「全部本音で言う」ことが誠実とは限らない

「正直に言うこと」と「相手を傷つけること」は、別の話です。

すべてを本音で言うことが、必ずしも相手のためになるとは限りません。

「その服、似合わないね」と正直に言うより、「こっちの色も素敵だと思うよ」と伝えるほうが、相手を傷つけずに済むこともあります。

相手を傷つける正直さより、相手を守る優しさを選ぶ。

それも、ひとつの誠実な選択だと思います。

「嘘をつかずに伝える」方法もある

もし「嘘をつくこと自体が苦しい」と感じるなら、嘘をつかずに気持ちを伝える方法もあります。

たとえば、「Iメッセージ」という伝え方があります。

「あなたは〇〇だ」と断定するのではなく、「私は〇〇と感じる」と自分の気持ちとして伝える方法です。

「その服は似合わない」→「私はこっちの色も好きだな」

このように言い換えるだけで、嘘をつかずに相手を傷つけない伝え方ができます。

Iメッセージについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
Iメッセージの使い方|相手を尊重しながら自分の気持ちを伝えるコツ

嘘をついた後、どう向き合えばいい?

嘘をついてしまった後、どうすればいいのでしょうか。

後悔しているなら謝ればいい

もし嘘をついたことを後悔しているなら謝る。
ただそれだけです。

「あのとき、本当のことを言えなかった。ごめんね」

そう伝えるだけで、心は軽くなります。

謝罪が遅れると、問題が大きくなることもあります。

でも、今からでも遅くはありません。

その嘘が本当のことになるように努力してもいい

もうひとつの選択肢があります。

それは、嘘を「本当のこと」に変えていくことです。

たとえば:

「できます」と言ってしまった仕事があるなら、本当にできるように努力する。
「大丈夫」と言ってしまったなら、本当に大丈夫になれるように自分をケアする。

嘘をついた自分を責めるのではなく、その嘘を現実にしていく。

それも、ひとつの誠実な向き合い方だと思います。

「本当のことなんて、自分がつくっていけばいい」

嘘について考えると、『FINAL FANTASY XIII』のヴァニラとホープの会話を思い出します。

ヴァニラ
「たくさん嘘ついから 忘れちゃったよ」

ホープ
「始めは 嘘でいいんだと思います
先のことは怖いから 自分に言い聞かせたり
誰かを守るために つい言ってしまったり
みんなが信じてるものだって 後になれば嘘ってわかることもある
大事なのは それからどうするかってことなんだと思います
本当のことなんて 自分がつくっていけばいい」

ヴァニラ・ホープ —— FINAL FANTASY XIII

嘘をついたことを後悔しているなら謝ればいい。
その嘘が本当のことになるように努力してもいい。

嘘をついてしまったことよりも、「それからどうするか」が大切なのかもしれません。

余談ですが、ホープはこの会話の最後で素敵な言葉を残しています。

「だから 笑ってください
僕は あなたの笑顔が好きだから」

ホープ —— FINAL FANTASY XIII

嘘は、自分や相手を守るために使いたい

嘘は、使い方次第です。

誰かを傷つけるためではなく、誰かを守るために使う。
自分を偽るためではなく、自分や相手の心を守るために使う。

そう考えると、嘘に対する罪悪感も、少し軽くなるのではないでしょうか。

自分を守るための嘘を許す

ここまで「優しい嘘」について書いてきましたが、「自分を守るための嘘」についても触れておきたいと思います。

「防御の嘘」と呼ばれる心理

心理学では、自分を守るためにつく嘘を「防御の嘘」と呼びます。

これは本能的に自分を守ろうとする気持ちからつく嘘であり、抑えることが難しいと言われています。

子どもの頃から身につけたスキル

私たちが嘘をつくようになるのは、多くの場合「怒られたくないから」という理由です。

子どもの頃、自分を守るために嘘をつくことを覚えた人も多いのではないでしょうか。

それは、生き延びるために必要なスキルだったのかもしれません。

嘘をついてきた自分を許す

もしあなたが、嘘をつかないと生きていけない環境にいたとしたら「そうするしかなかったんだね」と、自分を許してあげてください。

嘘をついてきた自分を責めるのではなく、そうせざるを得なかった過去を認める。

それが、これからの自分を変えていく第一歩になるのだと思います。

まとめ:嘘をついた自分を責めないで

  • 優しい嘘は、相手を守るための選択
  • 75%の人が「優しい嘘は必要」と考えている
  • 嘘をついた自分を責めるより、その後どうするかが大切
  • 後悔しているなら謝ればいい。嘘を本当にする努力をしてもいい
  • 「本当のこと」は、これから自分でつくっていける
  • 完璧に正直でなくても、誠実に生きることはできる

嘘をついた罪悪感で苦しんでいるなら、少しだけ自分に優しくしてみてください。

あなたが嘘をついたのは、きっと誰かを傷つけたくなかったからだと思います。
その優しさは、決して悪いことではありません。

大切なのは、これからどうするかです。

「本当のことなんて、自分がつくっていけばいい」

その言葉を、自分に贈ってあげてください。

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エンジニア / 心理カウンセラー / 起業家
ひとりの未熟な人間として、現時点での思考を静かに書き残しています。
正しさよりも、気づきや安心を大切にしたい。
誰かの心が少しでもやわらぐ言葉を残せたらと思っています。

尊敬する人物はチャーリー・マンガーとウォーレン・バフェット。
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