エッセイ

楽観と慎重さのあいだ

Shunsuke

「ポジティブに考えよう」

そんな言葉を聞くたびに、少しだけ引っかかることがあります。

ポジティブであること自体は、悪いことではないと思います。
前向きな気持ちが、行動を後押ししてくれることもあるし、暗い気持ちのまま過ごすよりもずっと健やかだとは思います。

でも、「すべてがうまくいく前提で行動する」というのは、ポジティブとは少し違う気がするんですよね。

たとえば、こんな場面を想像してみてください。

  • 新しい仕事を始めるとき、「きっとうまくいく」と思って準備をしない。
  • 体調に不安があるのに、「大丈夫だろう」と放置する。
  • 大事な約束の日に、「遅れることはないだろう」と余裕を持たずに出発する。

「すべてがうまくいく前提」だと、これらもポジティブに考えていることになってしまいます。
でも実際は、「うまくいかなかったときのこと」を考えていないだけですよね。

  • 「この人とは絶対にうまくいく」と思い込んですぐに結婚をする。
  • 「この銘柄は絶対に儲かる」と思い込んで全財産をつぎ込む。

このように人生に大きな影響を与えてしまうような場面だと、冷静な判断ができなくなってしまうこともあります。

楽観的な人は、うまくいくことを信じつつも、うまくいかなかったときの備えをしている人だと思います。

一方で、すべてがうまくいく前提で動く人は、その備えを省いてしまっています。
そして、うまくいかなかったときに、自分も周りも困ることになります。

この二つの違いは、「想像力」にあるのかもしれません。

「うまくいかないかもしれない」と想像できるかどうか。
その想像をしたうえで、それでも前に進めるかどうか。

それが、本当の意味での楽観なのではないかと思います。

「きっとうまくいく」と信じることは素敵なことです。
でも、「うまくいかなかったとしても大丈夫」と思える状態をつくっておくことは、もっと大切なことかもしれません。

備えがあるからこそ、安心して前を向ける。
余裕があるからこそ、挑戦できる。

「最悪のケースでも、なんとかなる」

そう思える土台があるとき、人は本当の意味で楽観的になれるのだと思います。

逆に、その土台がないまま「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせるのは、楽観ではなく、ただ目をつぶっているだけかもしれません。

楽観的でありたい。
でも、慎重さを忘れたくはない。

その「あいだ」に、ちょうどいいバランスがあるのかもしれません。

さらに深く、心と向き合いたい方へ

不安なとき、悲しいとき、誰かと話したいとき——。
そんなときに読み返していただける内容を
有料記事「より良く生きるための手紙」にまとめました。

最初の記事は無料でお読みいただけます。
あなたのペースで、
必要なときに、必要な部分だけでも読んでいただけると幸いです。

ABOUT ME
Shunsuke
Shunsuke
エンジニア / 心理カウンセラー / 起業家
ひとりの未熟な人間として、現時点での思考を静かに書き残しています。
正しさよりも、気づきや安心を大切にしたい。
誰かの心が少しでもやわらぐ言葉を残せたらと思っています。

尊敬する人物はチャーリー・マンガーとウォーレン・バフェット。
記事URLをコピーしました