「聞いてる」のに「聞いてくれない」と言われるのはなぜ?共感が伝わる聞き方
話を遮らず、最後まで聞いている。
なのに「話を聞いてくれない」と言われてしまう。
そんな経験、ありませんか?
実は、相手が求めているのは「耳で聞く」ことではなく、「心で受け止める」ことかもしれません。
相手が本当に必要としているのは解決策ではなく、共感と理解なのかもしれません。
この記事では、「聞いているつもり」が通じない理由と、本当に相手に寄り添う聞き方をお伝えします。
「聞いている」のに「聞いてくれない」と言われる3つの理由
どうして「ちゃんと聞いているのに」と思っているのに、相手は「聞いてくれない」と感じてしまうのでしょうか。
そこにはいくつかの理由があります。
理由1. 解決策を提示してしまう
「こうすればいいよ」
「それなら〇〇したら?」
相手の話を聞いて、つい解決策を提案してしまうことはありませんか?
でも、相手は解決策を求めていないことが多いんですよね。
感情を受け止めてほしい、ただそれだけです。
「そうだったんだね」「大変だったね」という一言で十分なことが、本当に多いです。
解決策を提示した瞬間、相手は「自分の気持ちをわかってもらえなかった」と感じてしまうかもしれません。
理由2. 自分の経験を話してしまう
「私も同じようなことがあって…」
こう切り出してしまうこと、ありませんか?
これは無自覚の「自分語り」になっているんですよね。
自分の経験を話すことは、相手の話を遮り、話題を自分に移すことになります。
相手は「聞いてもらえなかった」と感じてしまうんですよね。
理由3. リアクションが少ない
話を聞いているつもりでも、相槌やうなずきが足りていないことがあります。
表情が変わらず、ただ黙って聞いていると、相手は「本当に聞いてる?」と不安になってしまいます。
相手が話しているとき、あなたはどんな表情をしていますか?
身体は相手の方を向いていますか?
リアクションは「あなたの話を聞いているよ」というメッセージです。
相手が本当に求めているものは「共感」
では、相手は何を求めているのでしょうか。
それは、おそらく「共感」です。
感情を受け止めてほしい。
「そうだよね」「つらかったね」の一言で救われる。
ただ、それだけのことです。
ケイト・マーフィは、次のように書いています。
よく「聴く」とは、相手の頭と心の中で何が起きているのかをわかろうとすること。そして「あなたを気にかけているよ」と行動で示すことです。
自分の考え、感情、意図を持ったひとりの人として理解され、価値あるものとして大切にされる──それこそが、私たち誰もが切望することです。
共感されることで、相手は安心感を得ることができます。
自己肯定感が高まり、心が軽くなります。
相手が求めているのは、問題の解決ではなく、感情の受け止めなのかもしれません。
共感が伝わる聞き方5つのポイント
では、どうすれば相手に「聞いてもらえた」と感じてもらえるのでしょうか。
ここでは、共感が伝わる聞き方を5つご紹介します。
相手の感情に寄り添う言葉を選ぶ
「大変だったね」
「つらかったでしょう」
「それは嬉しかったね」
相手の感情を言語化してあげることが大切です。
相手の言葉を受け取り、それを返すことで、「あなたの気持ちを理解しているよ」と伝えることができるんですよね。
すぐにアドバイスしない
アドバイスは、求められてからするものです。
まずは感情を受け止める。
そして「どうしたい?」と聞いてみる。
プロカウンセラーの杉原保史氏は、著書『プロカウンセラーの共感の技術』の中で、次のように語っています。
われわれにできるのは、まずは「相手を信頼する」ことです。変わるか変わらないかは相手が選ぶことなのです。
相手には相手の解決策があるかもしれません。
私たちにできるのは、相手の選択を尊重し、必要なときに手を差し伸べることなのだと思います。
相槌とリアクションを意識する
「うんうん」
「そうなんだ」
シンプルな相槌でも、相手には十分伝わります。
表情や身体を相手に向けることも大切です。
スマホを見ながら話を聞くのはNGですよね。
相槌は「続けて話してください」というメッセージでもあります。
相手の言葉を繰り返す(オウム返し)
これだけで、聞いている証拠になります。
相手は「理解してもらえた」と感じるんですよね。
杉原氏は、次のように述べています。
相手が言ったことをそのまま受け取り、しっかり受け取りましたよというメッセージを言外に伝えつつ、あらためて話し手の発言をおおよそそのまま相手に返す反応が反射です。
相手の言葉をそのまま返すことで、「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」というメッセージを伝えることができます。
自分の話は後回しにする
自分の経験は「参考程度」に留めておきましょう。
「話したほうがいいかも」と感じた場合は、「私も似た経験があるんだけど、聞く?」と確認してから話すのが良いかもしれません。
自分の経験が相手に役立つとは限りません。
ケイト・マーフィは、次のように指摘しています。
「私が知っていることは、あなたが知っていることとは違う」という理解は、効果的なコミュニケーションに欠かせません
相手には相手の世界があり、自分とは違う知識や感情があります。
まずは「聞く」ことから始まる
相談事に対して、すぐに解決策を提示するのは待ったほうが良いかもしれません。
相手が本当に求めているのは解決策ではなく、共感と理解ですからね。
心からの共感が、信頼関係を作ります。
必要なときに手を差し伸べることが大切です。
「聞いてくれる」人は、そばにいてくれる人なのだと思います。
まとめ
相手が求めているのは、共感と理解です。
まずは感情を受け止めることから始めてみませんか?
アドバイスは、相手から明確に求められたときにのみ提供する。
それまでは、ただそばにいて、相手の話に耳を傾け、心から共感してあげてください。
「心から共感し、必要なときには手を差し伸べる」
それこそが最善のサポートではないでしょうか。

