迷ったら答えは「ノー」

忙しい日でも、家族や同僚の頭みごとに対して、二つ返事で応じてしまうことってありますよね。
責任感が強いあなたは、つい「いいですよ」と返してしまっているのではないでしょうか。
そんな中、後になって「やっぱり引き受けるべきではなかった」と後悔することもあると思います。
思ったより大変だったり、時間がかかったりする作業だったら「軽く返事するべきではなかったな」と思ってしまいますよね。
日本人は「ノー」と言うのが苦手な傾向にあります。
そのため、「頭まれたら断れない」という人も多いです。
しかし、その頭みごとは本当にあなたがやるべきことだったのでしょうか?
もしかしたら、周りから嫌われないために引き受けていただけなのかもしれません。
約2000年前、古代ローマの哲学者セネカは次のように語っています。
「あなたに何かを頼もうとしている人たちはみんな、あなたから時間や自由な意思を奪おうとしているようなものだ」
Think Clearly 学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 —— ロルフ・ドベリ
あなたの貴重な時間や自由が奪われていないか、一度考えてみることも大切ですね。
ただ、「これは本当に自分がやるべきことなのか?」と考えてみても、判断が難しい場合もあると思います。
そこでおすすめしたいのが「5秒決断ルール」です。
文字通り、5秒以内に決断することで、より直感的な判断ができるようになります。

5秒以内に「イエス」と言えないのであれば、その答えは「ノー」と考えてみましょう。
すぐに「イエス」と言えない(迷う)場合は、多くの場合、相手の気持ちを考えていると思います。
心から「相手を助けたい」と思えるのであれば、すぐに決断できるはずです。
その頭みごとは本来、相手の課題です。
また、あなたが断ったことで相手が機嫌を損ねたとしても、その機嫌を取るのも相手の課題です。
あなたはあなた自身の課題に目を向けてください。
きっと、その断った分の時間を他の充実したことに使えるはずです。
また、引き受けるにしても他の方法がないかを考えてみるのも良いですね。
人には3つのリソースがあると言われています。
- 情報的リソース:他人に伝えることができる専門知識、専門技術
- 社会的リソース:その人の持つ意識や立場
- 個人的リソース:その人が持つ時間とエネルギー
情報的リソースや社会的リソースは、共有してもなくなりませんが、個人的リソースは分け与えた分だけ自分の負担が増えます。
特に、女性は個人的リソースを分け与える傾向にあると言われています。
多くの場合、「引き受けるべきではなかった」と思うときは、個人的リソースを利用しているはずです。
もし、日常的に疲れや時間不足を感じるなら、他人に与えるリソースの種類を変えてみると、劇的な変化があるかもしれません。
あなたが1時間かけて行う作業を5分で済ませてくれる人がいるかもしれません。
頭みごとをする人は、あなたの努力の量を重視しているわけではないので、自分の時間とエネルギーを過大評価せず、正しい方向にリソースを割けると良いですね。
余談ですが、私は5秒で決断する練習として、「レストランでの注文を5秒以内に決める」ということを実践していました。
この場合、最初に「食べたい」と思ったものを自然に選ぶことになります。
なんだかんで言って最初に気になったものは満足できるものです。