余計なことを言ってしまう自分を変えたい|後悔を減らす「言わない練習」の始め方
「また余計なこと言っちゃった…」
一日を振り返って、そんなふうに後悔したことはありませんか?
- 「こうしたらどう?」と、聞かれてもいないアドバイスをしてしまう
- 「私だったらこうするけど」と、自分の経験を押し付けてしまう
- 「でも、あなたにも原因があるんじゃない?」と、正論を言ってしまう
相手のためを思って言ったはずなのに、なぜか微妙な空気になってしまう。
善意のつもりだったのに、あとから「あの一言、いらなかったかも」と自分を責めてしまう。
余計なことを言ってしまう自分を変えたいと思ったとき、必要なのは「話し方のテクニック」ではないかもしれません。
なぜ言ってしまうのかを理解し、「言わない」という選択を自分に許すこと。
それだけで、人間関係は少しずつ変わっていくように思います。
なぜ余計なことを言ってしまうのか?善意が裏目に出る心理
余計なことを言ってしまう自分に気づいたとき、多くの人は「自分は性格が悪いのかも」と落ち込んでしまいます。
でも、実はその逆であることが多いと思います。
余計な一言を言ってしまう人のほとんどは、相手のことを気にかけている人です。
沈黙に耐えられない
会話に「間」が生まれると、なんとなく居心地が悪くなることがあります。
「何か言わなきゃ」「気まずいかな」と焦って、とっさに言葉を埋めてしまう。
相手が黙っているのは、考えをまとめている途中かもしれません。
でも、沈黙への不安が先に立ってしまうと、その余白を奪ってしまいます。
役に立ちたい気持ちが先走る
相手が困っているのを見ると、「何かしてあげなきゃ」と思ってしまう。
その気持ち自体は、とても優しいものだと思います。
でも、「役に立ちたい」という気持ちが強すぎると、相手が求めていないアドバイスをしてしまうことがあります。
精神科医の藤野智哉さんは、こう語っています。
相手を満足させるためには、しゃべる練習より、よけいなことをしゃべらない練習のほうが100倍大事だったりします。
「しゃべる練習」より「しゃべらない練習」の方が大事。
これは、おもしろい逆転の発想だと思います。
認められたい気持ちが隠れている
「おもしろいことを言いたい」
「気が利く人だと思われたい」
こうした承認欲求が、無意識のうちに余計な一言を生んでいることもあります。
自慢話をしてしまう心理にも通じる部分がありますが、「認められたい」という気持ちは誰にでもあるものです。
大切なのは、その気持ちに気づけるかどうかだと思います。
つい自慢してしまう心理については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 自慢話をやめたい|つい自慢してしまう心理と5つの改善方法
相手が本当に求めているものは何か?「問題解決」と「共感」のすれ違い
余計なことを言ってしまう場面の多くは、「相手の悩みを聞いたとき」に起こります。
誰かが悩みを打ち明けてくれると、つい「解決してあげなきゃ」というスイッチが入ってしまう。
でも、相手が本当に求めているのは、解決策ではないかもしれません。
エーリッヒ・フロムは『愛するということ』の中で、こう指摘しています。
他人との関係において精神を集中させるということは、何よりもまず、相手の話を聞くということである。たいていの人は、相手の話をろくに聞かず、聞くふりをしては、助言すら与える。相手の話を真剣に受け止めず、したがって真剣に答えない。その結果、会話しているふたりはどちらも疲れてしまう。
「聞くふりをしては、助言すら与える」。
この言葉に、ドキッとする方も多いのではないでしょうか。
ジョン・グレイも『ベスト・パートナーになるために』の中で、同じようなことを語っています。
男性の側は、女性が悩み事やトラブルについて話をする際、彼女が必ずしも問題解決を望んでいるのではなく、ただ親身になって聞いてもらいたいと強く願っているのだということを覚えておく必要があるのだ。
相手が話してくれたとき、まず必要なのは「解決」ではなく「受け止める」ことなのかもしれません。
「大変だったね」
「そうだったんだね」
その一言だけで、相手の心は軽くなることがあります。
共感が伝わる聞き方について、こちらの記事でも詳しくお伝えしています。
→ 「聞いてる」のに「聞いてくれない」と言われるのはなぜ?共感が伝わる聞き方
余計なことを言わないためにできることは?
では、具体的にどうすれば余計な一言を減らせるのでしょうか。
大切なのは、「話し方を変える」のではなく「立ち止まる習慣をつくる」ことだと思います。
「相手のため?自分のため?」と問いかける
何かを言おうとしたとき、一瞬だけ立ち止まって、自分に問いかけてみるといいかもしれません。
「今、自分が言おうとしていることは、本当に相手のためになるだろうか?」
「それとも、自分が何か言いたいだけなのだろうか?」
この問いかけだけで、余計な一言はだいぶ減ると思います。
3秒だけ待ってみる
言いたいことが浮かんでも、すぐに口にしない。
3秒だけ待ってみる。
たった3秒ですが、その間に「本当に言う必要があるか」を考える余裕が生まれます。
3秒待っても「やっぱり伝えたい」と思えることだけを、言葉にする。
それだけで、言葉の質が変わってきます。
アドバイスの代わりに共感の言葉を返す
相手が悩みを話してくれたとき、「こうしたら?」の代わりに、こんな言葉を返してみるのはいかがでしょうか。
- 「大変だったね」
- 「そうだったんだね」
- 「それはつらかったね」
解決策を提示するよりも、まず気持ちを受け止める。
それだけで、相手は「わかってもらえた」と感じることが多いんですよね。
聞き上手になるための具体的な方法については、こちらの記事で解説しています。
→ 聞き上手になる方法|信頼される人が実践している「話を聞く力」の磨き方
沈黙は冷たさではなく、寄り添いのかたち
「何も言わない」ということに、罪悪感を覚える人もいるかもしれません。
「何か言わないと冷たいと思われるのでは?」
「黙っていたら、無関心だと思われないかな?」
でも、沈黙は「何もしていない」のとは違います。
相手の言葉を受け止め、その気持ちに寄り添う。
それは、とても積極的な行為だと思います。
「反応しない」というのは、無視することではありません。
相手をありのまま受け止める、ということだと思います。
沈黙は、相手に考える余白を与えてくれます。
相手が自分の言葉で答えを見つけるための時間をつくってくれます。
言葉を減らすほど、残った言葉が相手に届くようになる。
そんな気がしませんか?
言いたくなる自分を責めないこと
ここまで読んで、「でも、つい言ってしまうんだよな…」と感じている方もいるかもしれません。
それは、とても自然なことだと思います。
余計なことを言ってしまうのは、相手のことを気にかけている証拠でもあります。
「何か力になりたい」「助けてあげたい」という気持ちがあるからこそ、言葉が出てくるはずです。
小池龍之介さんは『超訳ブッダの言葉』の中で、こう語っています。
自分は「いい人」のつもりでも、実は他人に善意の押し売りをしていたりするかもしれない。
「善意の押し売り」。
耳が痛い言葉ですが、これに気づけたということは、もう変わり始めているんですよね。
大切なのは、完璧にコントロールすることではありません。
「また言ってしまった」と気づけること自体が、成長だと思います。
自分を責めるのではなく、「次はどうしよう」と考える。
そのくらいの気持ちで、少しずつ練習していけたらいいですよね。
まとめ:余計な一言を減らすと、本当に伝えたい言葉が届く
- 余計なことを言ってしまうのは、善意や沈黙への不安が原因であることが多い
- 相手が求めているのは「解決策」ではなく「聞いてもらうこと」かもしれない
- 「相手のため?自分のため?」と立ち止まる習慣が、余計な一言を減らしてくれる
- 沈黙は冷たさではなく、相手に寄り添う積極的な行為
- 言いたくなる自分を責めず、「気づけたこと」を認めてあげる
大事なことを言うのも大切です。
でも、それ以上に、余計なことを言わない勇気を持てたら。
言葉を減らすことで、本当に伝えたい言葉が、もっと相手に届くようになるのではないでしょうか。
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参考文献
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