エッセイ

待っていてくれた友人たち

Shunsuke

大学に入って最初の健康診断で、レントゲンを撮ったことがあります。
入学して数週間しか経っていない頃で、知り合ったばかりの友人たちと並んで順番を待っていました。

撮影のときは身につけているものを外しますよね。
私も腕時計を外しました。

そして次の検査に向かおうとしたところで、腕時計がないことに気づきました。
レントゲン車に置いてきたのだろうと思い、友人たちには「先に行ってて」と伝えて、私だけ取りに戻りました。

腕時計はすぐに見つかりました。
そして、レントゲン車の外に出ると、彼らはそこに立っていました。

「先に行ってて」と言われたら先に行く。

私はずっとそういうものだと思っていました。

でも彼らはそうではなかったんですよね。
あのとき受けた衝撃は、なかなか大きいものでした。

それまでの友人が冷たかったわけではありません。
ただ、あの日感じた暖かさは、それまで知っていたものとは少し違う種類のものでした。

そして彼らにとっては、おそらく当たり前のことだったのでしょう。
きっと、そんなことがあったこと自体を覚えていないと思います。

人の本質は、こういうさりげないところに出るのだと思います。
人の魅力というのも、その人にとっては当たり前のことなのかもしれません。

本人は特別なことをした覚えがない。
だから記憶にも残らない。

それでも、受け取った側にはずっと残ります。

その人の魅力に気づけるのは、受け取った側だけなのだと思います。
本人が気づいていないのなら、こちらから伝えるしかありません。

自分の魅力は自分では選べないんですよね。

見つけてくれるのはいつも他人で、しかも自分では思ってもみないところを見つけられる。
そういうものなのだと思います。

あの日の彼らのように、自分では覚えてもいないことで、誰かの記憶に残っていることがあるのかもしれません。
それが何なのかは、たぶん自分ではわからないままです。

でも、誰かの当たり前になら気づけます。

あなたの周りに、本人だけが気づいていない魅力を持った人はいませんか?

この投稿は、「第2回 Rondのよりみち|人の魅力って、なんだろう。」への参加記事です。

「Rondのよりみち」は、Rondが毎月ひとつのテーマを置き、参加者のみなさんと一緒に考えたり、書いたり、話したりする企画です。

Rondでは、一人ひとりが持つ経験や価値観、感性を大切にし、その人らしさや魅力を言葉にしていく取り組みを行っています。

今回は、「人の魅力って、なんだろう。」をテーマに、自分や誰かの魅力について考えています。

HP: https://rond.co.jp

#Rondのよりみち

ABOUT ME
Shunsuke
Shunsuke
エンジニア / 心理カウンセラー / 起業家
ひとりの未熟な人間として、現時点での思考を静かに書き残しています。
正しさよりも、気づきや安心を大切にしたい。
誰かの心が少しでもやわらぐ言葉を残せたらと思っています。

尊敬する人物はチャーリー・マンガーとウォーレン・バフェット。
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