人の心はわからない

「なんか心読まれてそう」

カウンセラーの資格を持っていると話すと、そう返されることがしばしばあります。

心理学を学んだ人は相手の考えていることがわかるようになる。

そんなイメージがあるのかもしれません。

でも、実際はその逆なんですよね。
心理学を学んだ人は「相手のことはわからない」という前提で接しています。

心理学者の河合隼雄さんはこう書いています。

一般の人は心がすぐわかると思っておられるが、人の心がいかにわからないかということを、確信をもって知っているところが専門家の特徴である
——河合隼雄『こころの処方箋』

「心読まれてそう」というイメージとは正反対ですよね。

心を学ぶほど、わからなさのほうがはっきりしてくる。

私もそう感じています。

だから私が大切にしているのは相手のことをわかったつもりにならないことです。

わかったつもりになると、言葉にも出てきます。

「良かれと思って」
「こう言ってるけど、実は〜なんでしょ」

どちらも相手を思っての言葉のように聞こえますよね。
でも、これは相手のためではないと私は思っています。

相手の気持ちを先回りして決めてしまうと、本人が言ったことよりも自分の読みのほうを信じることになります。
そうなると、相手の話を聞いているようで聞いていないんですよね。

人の心はわからない。
そう思っておくと、できることはシンプルになります。

決めつけずに聞く。
言ってくれたことをまずはそのまま受け取る。

カウンセラーだからといって、特別なことをしているわけではないんですよね。
そんなに簡単な話ではないのですが、言ってしまえば「ただ話を聞いているだけ」です。

わからないから、聞くしかないんですよね。

もし誰かのことを「この人はきっとこう思っている」と考えたときは、一度立ち止まってみてください。

それは相手が言ったことですか?
それとも、自分がそう思いたいだけでしょうか?


この投稿は、「第4回 Rondのよりみち|誰かに教えたい、わたしの小さな知恵」への参加記事です。

「Rondのよりみち」は、Rondが毎月ひとつのテーマを置き、参加者のみなさんと一緒に考えたり、書いたり、話したりする企画です。
Rondでは、一人ひとりが持つ経験や価値観、感性を大切にし、その人らしさや魅力を言葉にしていく取り組みを行っています。

今回は、「誰かに教えたい、わたしの小さな知恵」をテーマに、一人ひとりが経験から身につけてきた知恵について考えています。

HP: https://rond.co.jp

#Rondのよりみち

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