他人の失敗から学ぶ方法|全部自分で経験しなくていい理由
「失敗しないとわからない」
「自分で経験しないと意味がない」
こんなふうに考えていませんか?
たしかに、自分で経験することには大きな学びがあります。
でも、すべてを自分で経験する必要があるかというと、そうでもありません。
ウォーレン・バフェットの右腕として知られる投資家チャーリー・マンガーは、「他人の失敗から学ぶ」ことをとても大切にしていた人でした。
今回は、マンガーの考え方をもとに、全部自分で経験しなくても賢くなれる方法をお伝えします。
なぜ全部自分で経験する必要はないのか?
「自分でやってみないとわからない」
この考え方自体は、間違いではありません。
でもマンガーは、この考え方に落とし穴があると指摘しています。
マンガーが引用したアメリカの名司会者ジョニー・カーソンのスピーチに、こんな一節があります。
不幸な人生を送るための処方箋に移りましょう。何を学ぶにしても、できるかぎり自分自身の経験から学習すること、そして、存命中であれ故人であれ他人から、その成功や失敗を追体験する形で学ぶ方法は極力避けること、です
つまり、「全部自分で経験しようとすること」は、不幸になる確実な方法だと言っているわけです。
なぜでしょうか。
理由はシンプルです。
自分一人の経験だけでは、学べることに限界があるからですね。
たとえば:
転職を考えているとします。
「自分で経験しないとわからない」と思って転職したものの、入ってみたら想像と違った。
もし事前に、同じ業界で失敗した人の話を聞いていたら、避けられたかもしれません。
マンガー自身もこう述べています。
ほかの人の間違いから学ぶほうがはるかに楽です
自分で痛い思いをしなくても、他人の失敗から学べることはたくさんあります。
すべてを自分で経験するのは、時間もエネルギーも足りません。
「他人の経験を借りる」という発想が、効率よく賢くなるための第一歩です。
「巨人の肩の上に乗る」という発想
では、他人の経験から学ぶとは、具体的にどういうことでしょうか。
マンガーの書籍に、こんなエピソードが紹介されています。
あるところに、幼いころ虚弱だったにもかかわらず、そして解析幾何学で苦労したにもかかわらず、偉大な先人たちが築いてきた学問を熱心に習得した男がいました。やがて自分自身の成し遂げた功績が広く世間から注目されるようになると、男はこう言ったのです。「もし、私がほかの人たちよりも少しでも遠くを見渡せているのだとすれば、それは巨人の肩の上に乗っているからです」
この「男」は、アイザック・ニュートンです。
あのニュートンでさえ、「自分の力だけで成し遂げた」とは言いませんでした。
先人たちが積み上げてきたものの上に立っているからこそ、遠くまで見えた。
これは科学の世界に限った話ではありません。
仕事でも、人間関係でも、生き方でも同じです。
先人たちがすでに考え抜いてきたことがあるなら、それを活用しない手はありません。
マンガーはこう語っています。
ほかの人々がこれまでに考え出した素晴らしいものを習得する、という規律を私は重んじています。ただ座って物思いにふければ、何でも自分で編み出せるなんて思っていません。そんな賢人はどこにもいないのです
「自分で考えれば答えが出る」と思いがちですが、実際には、先人の知恵を借りた方がずっと早くて確実です。
大切なのは、「ゼロから自分で考える」ことではなく、「すでに誰かが見つけた答えを、まず学ぶ」ことなのかもしれません。
失敗への向き合い方については、こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ 正解を求めすぎて疲れたあなたへ|成功法則より大切な「失敗への備え」という考え方
他人の失敗から学ぶには?
「他人の経験から学ぶ」と言っても、具体的にどうすればいいのでしょうか。
3つの方法をお伝えします。
「成功例」より「失敗例」に注目する
マンガーはこう述べています。
多くの人は、一冊の本を読むだけで金持ちになれるというような安直な方法を探しているが、よほど幸運でなければ、そんなにうまく事は運ばない。投資に関する本を一〇〇冊読むよりも、一〇〇社の盛衰について書かれた本を読んだほうが、おそらく役に立つだろう
「成功する方法」を探すよりも、「なぜ失敗したのか」を知る方が役に立つということです。
成功にはさまざまな要因が絡み合っていて、再現が難しいことが多いです。
でも、失敗のパターンには共通点があります。
- 身の丈を超えたことに手を出した
- うまくいっているときに油断した
- 周囲の意見を聞かなかった
こうしたパターンを知っておくだけで、「同じ失敗をしない」という選択ができるようになります。
身近な人の経験を「聞く」
本を読むだけが学びではありません。
身近な人の失敗談も、大切な学びの源です。
たとえば:
先輩が「あのとき、もっと早く相談すればよかった」と言っていたとします。
それを聞いた自分が、困ったときに早めに相談する。
それだけで、同じ失敗を避けられるかもしれません。
大切なのは、「自分には関係ない」と聞き流さないことです。
他人の経験を自分に置き換えて考えてみる。そのひと手間が、学びの質を変えてくれます。
「自分で編み出す」にこだわらない
何かを学ぶとき、「自分なりのやり方を見つけたい」と思うことがあります。
その気持ちはわかります。
でも、マンガーの言う通り、「何でも自分で編み出せる賢人はどこにもいない」というのが現実です。
まずは、先人がすでに見つけた知恵を素直に学ぶ。
その上で、自分の経験と組み合わせて、自分なりの判断基準を作っていく。
この順番が大切なのかもしれません。
考え方の引き出しを増やしたい方には、こちらの記事もおすすめです。
→ 考え方の引き出しを増やすと判断がラクになる|ひとつのやり方に頼らない思考法
まとめ:全部自分で経験しなくていい
他人の失敗から学ぶ方法についてお伝えしました。
- 全部自分で経験しようとするのは、不幸になる処方箋の一つ
- ニュートンでさえ「巨人の肩の上に乗っている」と認めていた
- 成功例より失敗例に注目する方が、再現性のある学びが得られる
- 身近な人の経験も、大切な学びの源になる
- 「自分で編み出す」より、まずは先人の知恵を素直に学ぶ
「自分でやってみないとわからない」という気持ちは大切です。
でも、それだけに頼ると、時間もエネルギーも足りなくなってしまいます。
先人たちがすでに残してくれた知恵を借りること。それは、ずるいことでも手抜きでもありません。
むしろ、それが一番賢い学び方なのかもしれません。
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