謙遜と卑下はまったく違う
何かを褒められたとき「いえいえ、まだまだです」と思わず返してしまうことはありませんか?
「謙遜することは美しい」という感覚が私たちの中には根強くあります。
「自分を前に出しすぎると嫌われる」という怖さもあるかもしれません。
だから、すぐに自分を下げることが礼儀正しさの証明のように感じられることがあります。
でも少し立ち止まって考えてみてほしいことがあります。
謙遜と卑下はまったく違うものです。
自分を悪く言うだけでは、それは謙遜ではなく卑下です。
「どうせ私なんて」「大したことないですから」という言葉が口癖になっているなら、それは謙虚さとは少し違うかもしれません。
そして卑下には意外な問題があります。
あなたのことを評価してくれている人がいるとします。
「素晴らしいですね」と伝えてくれた人に対して、「いえ、私は全然ダメです」と打ち消してしまったとしたらどうでしょう。
それは、相手に対して「人を見る目がないですね」と伝えているのと同じではないでしょうか。
相手の評価をあなた自身の言葉で否定してしまっています。
その意味で卑下は相手にとって少し失礼な行為でもあると思っています。
一方、謙遜は違います。
謙遜とは相手と同じ立場に立つために、自分の位置を少し下げることです。
「私はまだ学ぶことが多いです」という言葉が正直な自己認識から来ているなら、それは謙遜です。
場を整え、相手への敬意を示すための言葉です。
自分を否定しているのではなく、相手や関わっている人との関係を丁寧に保っています。
褒め言葉を素直に受け取ることは思っているより難しいかもしれません。
大きく見せているような気がして恥ずかしくなってしまうこともあります。
でも、相手の言葉を受け取ることができる人は、相手の気持ちを丁寧に扱っている人でもあると思います。
これは謙遜なのか、それとも卑下なのか。
「私なんて」という言葉が出そうになったとき、一度立ち止まって考えてみてください。