逆から考えると答えが見えてくる|悩みがシンプルになる問題解決の思考法
「どうすればうまくいくか」
「何が正解なのか」
考えれば考えるほど、答えが遠ざかっていく。
そんな経験はありませんか?
実は、正面から答えを探すよりも、「どうすれば失敗するか」を先に考えて、それを避ける方が確実です。
この考え方は「インバージョン(逆転思考)」と呼ばれ、ウォーレン・バフェットの右腕として知られる投資家チャーリー・マンガーが、生涯をかけて実践してきた思考法です。
今回は、日常の悩みや判断に「逆から考える」を応用する方法をお伝えします。
「逆から考える」とは?問題を裏返すと答えが見える
「逆から考える」とは、「どうすれば成功するか」ではなく、「どうすれば失敗するか」を先に考える思考法です。
19世紀ドイツの数学者カール・ヤコビは、難しい数学の問題に取り組むとき、こんな方針を掲げていました。
逆だ、いつでも逆から考えるんだ
投資家のチャーリー・マンガーは、この考え方を数学だけでなく人生全般に応用しました。
マンガーの友人で投資家のリ・ルーは、彼の思考法についてこう語っています。
チャーリーは、いつも物事を逆から考えます。どうすれば幸せな人生を送れるのかを知りたいとき、彼はまずどうすればみじめな人生になるかを研究します。どうすれば強くて大きな会社になるかを検証するときは、まず会社がどのように衰退し、つぶれるのかを研究します。みんなはどうしたら株式市場で成功できるかと考えますが、チャーリーはなぜほとんどの人が株で失敗するのかに注目します
つまり、うまくいく方法を探すのではなく、失敗する原因を特定して、それを避ける。
シンプルですが、とても強力な考え方です。
マンガーは、アメリカの人気テレビ司会者ジョニー・カーソンが卒業式のスピーチで語った「確実に不幸になる処方箋」をよく引用していました。
カーソンが挙げた「不幸になる方法」は、こんな内容です。
- 気分を変えるために薬物を使う
- 妬みに溺れる
- 恨みにふける
幸せになる方法ではなく、確実に不幸になる方法を教えて、「これを避けなさい」と伝えたんですよね。
逆から考えることで、答えは驚くほどシンプルになります。
正面から考えてもうまくいかないのはなぜ?
「どうすればうまくいくか」を考えること自体は、悪いことではありません。
でも、正面から答えを探し続けると、こんなことが起こりがちです。
- 選択肢が多すぎて、どれを選べばいいかわからない
- 考えれば考えるほど、堂々巡りになる
- 「もっと良い方法があるはず」と、いつまでも動けない
「どうすればうまくいくか」に正解が無限にあることが、考えすぎの原因になっているのかもしれません。
一方で、「どうすれば失敗するか」は、意外なほど明確に答えられます。
マンガーはこう言っています。
自分がどこで死ぬのか知りたい。そうすれば、そこにはけっして行かないから
「正解」を探す旅は果てしないけれど、「明らかな間違い」は見つけやすい。
だからこそ、「避けるべきこと」を明確にする方が、ずっと効率的です。
「正解」を探し続けることの落とし穴については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 正解を求めすぎて疲れたあなたへ|成功法則より大切な「失敗への備え」という考え方
「逆から考える」を日常で使うには?
「逆から考える」は、投資や経営だけの話ではありません。
日常の悩みや判断にも、そのまま使えます。
ポイントは、「どうすれば〇〇できるか?」という問いを、「どうすれば〇〇に失敗するか?」に裏返すことです。
いくつかの場面で見てみましょう。
仕事で使う
「どうすればプレゼンを成功させるか」と考えると、答えが見えません。
でも、「どうすればプレゼンを確実に失敗させるか」と考えると、すぐに出てきます。
- 準備をしない
- 練習をしない
- 相手が何を知りたいかを無視する
これを避けるだけで、少なくとも「大失敗」はしなくなります。
完璧な成功を目指すよりも、致命的な失敗を避ける方が、結果的にうまくいくことは多いです。
人間関係で使う
「どうすれば人に好かれるか」は、答えるのが難しい質問です。
でも、「どうすれば人に嫌われるか」なら、すぐに答えられるのではないでしょうか。
- 約束を守らない
- 人の話を聞かない
- 自分の話ばかりする
これを避けるだけで、人間関係は自然と良くなっていきます。
「好かれる方法」を必死に探すよりも、「嫌われる原因」を取り除く方がシンプルです。
悩みごとに使う
「どうすれば悩みが消えるか」と考えても、答えは出ません。
でも、「どうすれば今の悩みをもっとひどくできるか」と考えると、すぐに出てきます。
- 寝不足のまま考え続ける
- 一人で抱え込んで誰にも相談しない
- SNSで他人と自分を比べる
これを避けるだけで、悩みが膨らむのを防げます。
悩みを「ゼロにする方法」は見つからなくても、「悪化させない方法」ならすぐに実践できます。
考えすぎて疲れてしまうときの対処法については、こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ 考えすぎて疲れたときの対処法|決断を減らして心のゆとりを取り戻す
目標設定に使う
「理想の自分になるにはどうすればいいか」は、抽象的すぎて答えが出ません。
でも、「最悪の自分になるにはどうすればいいか」なら、具体的に出てきます。
- 健康を無視する
- 学ぶことをやめる
- 嫌な環境に居続ける
その逆を意識するだけで、少しずつ理想に近づけるのかもしれません。
「逆から考える」を習慣にするには?
「逆から考える」を日常に取り入れるためのコツを3つお伝えします。
悩んだら「逆にするとどうなる?」と問いかける
答えが出ないとき、自分にこう聞いてみてください。
「逆に、最悪の結果になるには何をすればいい?」
この問いかけだけで、視点が変わります。
正面から考えて行き詰まっているときほど、逆から考えると道が開けることがあります。
「避けるべきことリスト」を作る
カーソンが「不幸の処方箋」を3つ挙げたように、あなたも「避けるべきことリスト」を作ってみてください。
- 仕事で避けること
- 人間関係で避けること
- 生活習慣で避けること
それぞれについて「これだけは絶対にやらない」と決めておきます。
やるべきことを増やすのではなく、やらないことを決める。
それだけで、判断がシンプルになります。
完璧を目指すのをやめて「明らかな間違い」を避ける
マンガーはこう述べています。
標準的な間違いを懸命に排除するだけで、有能な人たちの先を行ける
完璧な正解を探す必要はありません。
「明らかにダメなこと」を避けるだけで、十分うまくいきます。
賢くなろうとするよりも、愚かなことをしない。
それだけで、結果は大きく変わるのかもしれません。
物事の捉え方を変える方法については、こちらの記事でも解説しています。
→ 物事の捉え方を変える方法とは?リフレーミングで人生を楽にする実践ガイド
まとめ:正解を探すより、間違いを避ける
「逆から考える」問題解決の思考法についてお伝えしました。
- 「逆から考える」とは、「どうすれば失敗するか」を先に考え、それを避ける思考法
- 「どうすればうまくいくか」は正解が無限にあるが、「どうすれば失敗するか」は明確に答えられる
- 仕事、人間関係、悩み、目標設定など、日常のあらゆる場面で応用できる
- 完璧な正解を探すのをやめて、「明らかな間違い」を排除するだけで十分
うまくいかないとき、つい「正解」を探そうとしてしまいます。
でも、ちょっと立ち止まって「逆から考えてみよう」と思うだけで、答えはずっとシンプルになるかもしれません。
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参考文献
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