思考

やらないことを決めると判断がラクになる|迷いが減るシンプルな基準の作り方

Shunsuke

「やるべきことが多すぎて、何から手をつけていいかわからない」
「頼まれると断れなくて、気づけば抱え込んでいる」

こんなふうに感じたことはありませんか?

実は、「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決める方が、判断はずっとラクになります。

ウォーレン・バフェットの右腕として知られる投資家チャーリー・マンガーは、「やらないことの基準」を明確に持っていた人でした。

今回は、マンガーの考え方をもとに、迷いを減らすシンプルな基準の作り方をお伝えします。

なぜ「何でもやろう」とすると疲れてしまうのか?

やるべきことが多いと、全部こなそうとしてしまいます。

真面目な人ほど、頼まれたことを断れず、「自分がやらなきゃ」と引き受けてしまいがちです。

でも、全部に手を出すと、ひとつひとつの判断に使えるエネルギーが減っていきます。

たとえば:

仕事で5つのプロジェクトを同時に抱えていると、
どれも「それなりに」しか取り組めなくなります。

「あの件どうなってたっけ?」
「これは今日中にやるべき?明日でもいい?」

こうした小さな判断が積み重なるだけで、
気づかないうちに疲れていきます。

マンガーは、こうした状態を避けるための行動指針を持っていました。

私が数十年にわたって成功を収めてきたのは、主として失敗しそうにない仕事や手法にのみ携わるという行動指針に従ってきたからです

すべてに手を出さない。
「失敗しそうにないもの」だけに絞る。

これがマンガーの基本姿勢です。

「やらないこと」を決めるための基準とは?

では、何を基準にして「やること」と「やらないこと」を分ければいいのでしょうか。

マンガーは、とてもシンプルな仕分け方を持っていました。

投資で用いるカゴは、イエスとノーと難しすぎて理解不能の三つ

多くの人は、「やるか」「やらないか」の2択で判断しています。
でも、マンガーは3つ目の箱を持っていました。

「難しすぎて理解不能」という箱です。

この3つ目の箱が、実はとても重要です。

「やるかやらないか」だけで判断しようとすると、よくわからないものも「やる」に入れてしまいがちです。

でも、「理解できないものには手を出さない」という基準があるだけで、判断はぐっとラクになります。

日常に置き換えてみると、こんなふうに使えます。

  • 仕事: 内容やリスクを自分で理解できるか? → できないなら「難しすぎる」の箱へ
  • お金: 仕組みがわかるか? → わからないまま手を出すなら「難しすぎる」の箱へ
  • 人間関係: 相手の意図や状況を理解できるか? → わからないなら無理に判断しない

「イエスかノーか」だけで迷うのではなく、「そもそも自分に判断できることなのか?」をまず確認する。

それだけで、迷う回数はかなり減ります。

「断ること」自体に罪悪感がある方には、こちらの記事もおすすめです。
迷ったら答えは「ノー」|罪悪感なく断るための5秒決断ルール

「自分の境界線」はどうやって見極めるのか?

「やらないこと」の基準を持つためには、自分の境界線——つまり「ここまではわかる。ここから先はわからない」というラインを知る必要があります。

3つの方法をお伝えします。

綱渡り師のように「限界」を正確に知る

マンガーの書籍には、こんな比喩が登場します。

プロの綱渡り師を二〇年間続けている人を想像してみてください。自分が何を知っていて、何を知らないかが正確に分かっていなければ、二〇年間も生き延びることはできません。間違えば命を落とすことが分かっているから、真剣に自分の限界を見極めてきたのです

綱渡り師が生き延びられるのは、「どこまでなら大丈夫か」を正確に知っているからです。

普段の生活は命がけではありませんが、「ここは自分には無理だ」と気づいた経験は、誰にでもあると思います。

その感覚を信頼すること。

それが、境界線を知る第一歩です。

「得意なこと」から離れない

マンガーが尊敬していたIBMの創業者トーマス・ワトソン・シニアは、こう語っていました。

私は天才ではない。ただ、中には得意なこともあり、そこから離れないようにしてきた

天才でなくても、自分が得意な場所にとどまり続けるだけで、十分な成果は出せます。

大切なのは、「もっとできるようにならなきゃ」と無理に領域を広げることではなく、今ある得意を活かしきることです。

得意なことに集中する考え方については、こちらの記事でも解説しています。
苦手なことは克服しなくていい|得意なことに集中して成果を出す方法

複雑なものには近づかない

マンガーは、複雑さそのものを避けるべきだと考えていました。

複雑なところには、そもそも不正や間違いが起こりやすい

シンプルに理解できるものだけを選ぶ。

よくわからないまま手を出すのが、実は一番危険です。

「なんとなくわかる気がする」
「調べればわかるかもしれない」

こういうものこそ、3つ目の箱「難しすぎて理解不能」に入れておくのが安全です。

「やらないこと」を決めると、何が変わるのか?

「やらないこと」の基準を持つと、日常の判断がシンプルになります。

まず、判断の回数が減ります

「やるかやらないか」を毎回ゼロから考えるのではなく、基準に照らし合わせるだけでいい。
それだけで、判断に使うエネルギーがぐっと減ります。

次に、「断る」が罪悪感なくできるようになります

「なんとなく断りにくい」のは、断る理由が曖昧だからです。
でも、「自分には理解できない領域だから」という基準があれば、無理に引き受けなくて済みます。

そして、空いた時間とエネルギーで、得意なことに集中できます

マンガーはこう語っています。

ウォーレンと私が持っているスキルは、簡単に教えることができます。ひとつは自分の能力の優位性を知っていることです。もしその優位性が分からなければ、それは能力とは言えません

自分の得意な場所を知り、そこに集中する。

「やらないこと」を決めるのは、我慢ではなく、集中するための選択です。

考えすぎて疲れてしまうときの対処法については、こちらの記事もおすすめです。
考えすぎて疲れたときの対処法|決断を減らして心のゆとりを取り戻す

まとめ:「やらないこと」の基準を持つだけで、判断はラクになる

「やらないこと」を決める基準の作り方についてお伝えしました。

  • 「何でもやろう」とすると判断の質が下がり、疲れてしまう
  • マンガーの「3つの箱」で仕分ける:イエス / ノー / 難しすぎて理解不能
  • 自分の境界線を知り、得意なことから離れず、複雑なものには近づかない
  • 「やらないこと」の基準を持つだけで、判断はずっとラクになる

すべてに「イエス」と言う必要はありません。

「これは自分には難しすぎる」

そう言えることが、実は一番賢い判断なのかもしれません。

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Shunsuke
エンジニア / 心理カウンセラー / 起業家
ひとりの未熟な人間として、現時点での思考を静かに書き残しています。
正しさよりも、気づきや安心を大切にしたい。
誰かの心が少しでもやわらぐ言葉を残せたらと思っています。

尊敬する人物はチャーリー・マンガーとウォーレン・バフェット。
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