「ソフトスキル」を重視する理由——誠実さがもたらす信頼の価値
採用面接を行うこととなったとき、あなたはどのようなことを重視して採用を行いますか?
経歴、スキル、パーソナリティ、将来性など様々な視点が存在しますよね。
最低限の書類と限られた時間の中で、これらを見極める必要があります。
でも、実際にはそのようなことは到底無理なんですよね。
どんなに時間をかけたところで、他人を完全に理解することはできません。
そのため、私は「ソフトスキル」を重視するようにしています。
「ソフトスキル」は、仕事をする上で必要となる思考力や性格などのことですね。
相手の表情や仕草、話し方、話す内容など様々な観点から読み取ることができます。
一方で、特定の業務をこなすためのスキルは「ハードスキル」といいます。
どちらも非常に重要なスキルではあるのですが、「ハードスキル」は後天的に身につけることができるんですよね。
一方、「ソフトスキル」はその人の性格そのものであり、変えることは難しいです。
短期的には「ハードスキル」が重視されますが、長期的には「ソフトスキル」が重視されます。
「ソフトスキル」を高めるのには労力がかかりますね。
これといった指標もなければ、明確に伝える手段もないです。
これは、ウォーレン・バフェットが参照したというピート・キーウィットの言葉にも表れています。
オマハにピート・キーウィットという経営者がいて、彼はつねづね、人を雇う時は3つの資質に注目すると言っていました。3つの資質とは、誠実さ、知性、エネルギーです。しかし、もし誠実さがなければ…知性やエネルギーがあっても意味がないとも言っていました。なぜなら、誠実でない人物には愚かで怠け者であってほしいからです。誠実でない人物が、頭が切れてエネルギッシュだったら危険です。
ウォーレン・バフェットの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実 —— ディヴィッド・アンドリューズ、石田文子
あなたも誠実ではない人には近づきたくないですよね。
そのため、自分の「ソフトスキル」も高めていかなければいけません。
余談ですが、実は、高い確率で優秀な人を採用する方法は数学的に証明されています。
これは「秘書問題」と呼ばれています。
たとえば、あなたが秘書を採用することにしたとしましょう。
そして、100人いる応募者の中から優秀な人を1名採用します。
その場合は、最初の37名を全員不採用にして、その中で最も優秀だった人を基準とします。
そして、残りの63名の面接を行い、基準となった人よりも優秀な人を採用します。
この方法を用いれば、最も優秀な人は採用できないかもしれませんが、それなりに優秀な人を高い確率で採用できます。
ちなみに、最初に不採用にする人数は、応募者の人数を数学定数e(2.718)で割ることで求めることができます。
近い将来、あなたが秘書を採用することとなった際に利用してみてはいかがでしょうか。