自分に嘘をつくのをやめたい|現実を直視するシンプルな考え方
「本当はうまくいっていないのに、大丈夫だと言い聞かせている」
「都合の悪いことは、見ないようにしている」
こんな経験、ありませんか?
誰でも、自分に嘘をついてしまうことがあります。
でも、その「小さな嘘」が積み重なると、判断を大きく誤ることがあります。
ウォーレン・バフェットの右腕として知られる投資家チャーリー・マンガーは、「自分を欺かないこと」を何より大切にしていた人でした。
今回は、マンガーの考え方をもとに、自分に嘘をつくのをやめるためのシンプルな考え方をお伝えします。
なぜ人は自分に嘘をつくのか?
「自分に嘘をつく」と言うと、大げさに聞こえるかもしれません。
でも実は、ほとんどの人が日常的にやっていることです。
マンガーの書籍に、その理由がこう説明されています。
これは単純な心理的拒否です。現実を受け止めるには痛みが大きすぎるため、耐えられるところまで現実をゆがめてしまうのです。このようなことはだれにでも多少はあることですが、それがよくある心理的な誤判断につながり、深刻な問題を引き起こします
つまり、現実を認めると「痛い」から、無意識に現実をゆがめてしまうということです。
たとえば:
今の仕事が合っていないと薄々気づいている。
でも、「まだ頑張れる」「他に行くところもないし」と自分に言い聞かせて、見て見ぬふりをする。
あるいは、人間関係がうまくいっていないのに、「きっと相手が変わってくれる」と思い込もうとする。
こうした「小さなゆがみ」は、誰にでも起こります。
問題は、それが積み重なると、現実とのズレがどんどん大きくなっていくことです。
「自分が一番騙しやすい」という事実
マンガーがよく引用していた言葉があります。
ノーベル賞物理学者リチャード・ファインマンの言葉です。
一番のルールは自分自身を欺かないことだ。そして、一番欺きやすい人間はあなたである
他人を騙すのは難しくても、自分を騙すのは簡単です。
なぜなら、自分は自分の嘘を疑わないからです。
おもしろいエピソードがあります。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは、「過度の楽観主義バイアス」について長年研究していました。
ところが、自分自身の本の執筆期間について聞かれたとき、「18カ月で書き上げる」と答えました。
実際には、完成まで何年もかかったそうです。
これは、正しい判断ができないことについて一生をかけて研究している人がその研究テーマ(過度の楽観主義)の犠牲になるくらい、強力なバイアスなのである
「自分だけは大丈夫」と思うこと自体が、すでに自分を騙しているのかもしれません。
思い込みからの脱却については、こちらの記事も参考になるかもしれません。
→ 思い込みを外す方法|「自分はダメだ」から抜け出す確証バイアスの克服法
自分に嘘をつくのをやめるには?
では、自分を欺かないためには、どうすればいいのでしょうか。
3つの考え方をお伝えします。
嫌な現実ほど直視する
マンガーはこう語っています。
現実から目を背けてはならない。たとえそれが嫌な現実であっても。むしろ、嫌な現実だからこそ現実を直視しなければならない
「見たくないもの」こそ、見る必要があるということです。
嫌な現実を直視するのは、たしかに痛みを伴います。
でも、見て見ぬふりを続けた結果、問題がもっと大きくなることの方が、ずっと痛いです。
「ちょっと嫌だな」と感じたことがあるなら、それは現実を直視すべきサインなのかもしれません。
お気に入りのアイデアを手放す
マンガーの書籍に、アインシュタインの言葉が紹介されています。
アインシュタインはもっとうまく表現しました。自分が頭脳を使う仕事で成功したのは「好奇心、集中力、粘り強さ、自己批判」のおかげだと。この場合の自己批判とは、自分自身が最も苦労して得た一番お気に入りのアイデアを葬り去ることを意味します
「自分が正しい」と思いたい気持ちは、誰にでもあります。
特に、時間をかけて考えた結論ほど、手放すのが難しくなります。
でも、「これは本当に正しいのか?」と自分に問い続けることが、判断の質を保つ鍵です。
苦労して出した結論だからこそ、疑ってみる。
その姿勢が大切なのかもしれません。
「本当にそうか?」と問いかける習慣を持つ
自分を欺かないための一番シンプルな方法は、日常の中で「本当にそうか?」と自分に問いかけることです。
- 「大丈夫」と思ったとき → 本当に大丈夫か?
- 「きっとうまくいく」と思ったとき → 根拠はあるか?
- 「自分は間違っていない」と思ったとき → 別の見方はないか?
この問いかけは、自分を否定するためではありません。
自分の判断を、少しだけ客観的に見るためです。
「自分は間違えるかもしれない」という前提を持っておくだけで、判断の質は変わります。
まとめ:自分に正直でいることが、一番の判断基準になる
自分に嘘をつくのをやめるための考え方についてお伝えしました。
- 人は「痛い現実」から逃れるために、無意識に現実をゆがめてしまう
- 自分が一番騙しやすい相手。専門家でさえ自分のバイアスには気づけない
- 嫌な現実ほど直視する。見て見ぬふりのコストの方が大きい
- お気に入りのアイデアほど、疑ってみる勇気が大切
- 「本当にそうか?」と問いかける習慣が、判断の質を保ってくれる
自分に嘘をつくのは、誰にでもあることです。
でも、「自分は騙されやすい」と知っているだけで、少しだけ冷静でいられます。
完璧に正直でいる必要はありません。
ただ、「本当にそうか?」と立ち止まれる自分でいること。
それだけで、判断の質は変わってくるのではないでしょうか。
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