相手が変わったのか、自分が変わったのか?——自分の心と向き合う大切さ
かつては揺るぎない人だったのに、いつの間にか自己中心的な性格になってしまった。
以前は天然で愛らしい人だったのに、今では不器用で頼りない印象を与えるようになった。
果たして、本当に相手は変わってしまったのでしょうか?
もしかしたら、変わったのは、あなたが抱く“印象”や“視点”なのかもしれません。
「心のメガネ」が変える世界
私たちは、同じ相手、同じ出来事を前にしても、その時の気分や状況によってまったく違う反応をしてしまいます。
気分の良い日には、相手のちょっとしたドジさえ笑い飛ばせるのに、気分が落ちている日には苛立ちを覚えてしまうものです。
まるで色付きメガネをかけて世界を見ているようなものですね。
「ピンク色のメガネ」を通せばすべてが優しく輝き、逆に「灰色のメガネ」を通せば、見るものすべてがくすんで見えてしまいます。
私たちが感じる「人の変化」は、実は自分自身の心のメガネ(フィルター)が変わったせいかもしれません。
別れたい理由を探す魔法?
恋愛関係や友情関係においても、この「心のメガネ」は健在です。
私たちは、誰かを好きになるとき、細かい理由なんて探しません。
好きなものは好き。
「好きな理由がなければいけない」ということはないですよね。
ところが、いざ「別れ」や「距離を置く」ことを考え始めると、人はそこに理由を求め始めます。
突然相手の欠点が気になり、今まで見過ごしてきたちょっとした言動が「もう耐えられない!」と大問題に発展してしまうことさえあります。
しかし、ここで押さえておきたいのは「理由があるから別れたい」のではなく「別れたい気持ちが先にあり、その裏付けとなる理由を後から探し始める」ということ。
人は、実現したい感情や行動に都合の良い“理由”を、後から引っ張り出してくるんですよね。
この思考回路を理解することで、私たちは「解釈を変えてみる」ことができるようになります。
つまり、別れたいと感じる気持ちがある一方で、逆に「あの人には、まだ素敵なところがあったかもしれない」と再発見する余地も残されているんですね。
レンズを変えてみる、そして自分も変わる
もし「最近、あの人は変わってしまったな」と思っていたなら、ちょっとだけ自分の視点を見直してみると面白いかもしれません。
たとえば、次のような行動を試してみてはどうでしょう?
- ふとした瞬間に、思い出の中のあの人を呼び起こす:昔、あの人があなたを笑顔にしてくれた出来事を思い出してみると、今の不満が少し和らぐかもしれません。
- ポジティブなメガネをかけ直す:あえて「今日だけは良いところを探してみよう」と心に決めて、相手を観察してみると、自分が勝手に見落としていた優しさや魅力に気づくこともあります。
- 自分自身の気分をリセットする:疲れやストレスで曇ったレンズを、一時の休息で拭き取ってみるのも手です。あなたの中にある「灰色のメガネ」をはずせば、世界はまた、輝きを取り戻すかもしれません。
そして、この発想は対人関係だけでなく、日常のあらゆる場面で生きてきます。
なかなか手を付けられない仕事、マンネリ化している趣味——すべては私たちの心のメガネ次第です。
視点を変える柔軟さがあれば、あなたはいつでも新鮮な気持ちで人生を見つめ直すことができます。
私たちは「心のメガネ」を自由に交換できると考えれば、なんだか気持ちが楽になりませんか?
結局のところ、大切なのは「自分自身の内面と向き合うこと」です。
相手が変わったかどうかよりも、あなた自身がどんなレンズを通して世界を見ているのかが重要です。
今日から少し意識してみましょう。
「相手が変わってしまった」と嘆く前に、「私が何色のレンズを通してみるのか?」と問いかけてみてください。
そうすれば、また新たな発見があなたを待っているはずです。