決断疲れを防ぐシンプルな方法——不要な選択を排除し、賢明な判断をするために
今日は何を食べよう?
今日は何を着ていこう?
私たちは常に何かを決断しています。
その回数は1日約35,000回にも及ぶといいます。
実は、私たちは、起床から時間が経つにつれ、正しい決断が下せなくなっているんですよね。
無意識だとはいえ、これだけ決断しているので当然と言えば当然ですよね。
ニューヨーク・タイムズ紙の科学コラムニストのジョン・ティアニー氏は、この現象を「決断疲れ」と呼びました。
つまり、重要な決断は午前中に行ったほうが良いんですよね。
午後のほうが頭が働いている気がするので、午後に決断している人も多いと思うんですよね。
午後に決定したことは、翌朝再考したほうが良いと思います。
これは私の経験ですが、一度睡眠をとってから冷静に考えてみると、案外考えが変わるものです。
『物語シリーズ』の著者である西尾維新先生は、1日で約20,000文字もの原稿を書くそうです。
同じように文章を書いている人ならわかると思いますが、1日20,000文字というと、とてつもない量です。
それでいて、名作を生み出しているのですからすごいですよね。
私はその1/10の2,000文字を目安に文章を書くようにしていますが、早くても2時間程度はかかってしまいます。
そして、体力は使い果たしてるので、時間があってもそれを10回繰り返すことはできないですね(笑)
そんな人間離れした執筆速度ですが、その秘訣は「1日に4回朝を作ること」だと西尾先生は語っています。
2時間睡眠を1日に4回取ることで、1日に4回朝が訪れるそうです(?)
この時点で人間離れしてるので参考になる人は少ないですよね(笑)
ただ、起床直後が最も頭が働くというのは伝わりますよね。
そして、決断疲れを起こさないための方法はこれだけではありません。
その方法とは、意識的に決断の回数を減らすことです。
この方法なら誰でも実践できます。
状況によって決断するのではなく、「このような状況ではこの決断をする」と予め決断しておくんですよね。
スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグが同じ服しか着ないのは有名ですね。
冨樫義博先生による漫画『HUNTER×HUNTER』には、「制約と誓約」という概念が存在します。
作中では次のように説明されていますね。
制約(ルール)を決めてそれを心に誓うんだ
HUNTER×HUNTER —— 冨樫義博
「遵守する」と
その制約(ルール)が厳しい程
使う技は爆発的な威力を発揮する!!
自らに制約(ルール)と誓約(覚悟)を課すことで、自身の能力を著しく向上させることができるというものです。
このようなイメージで、決断に「制約と誓約」を利用することで、私たちは判断能力を高めることができます。
たとえば、私は不要な決断を排除するために次のようなことを行っています。
- 必要なものしか持たない
- 同じ服しか着ない
- お酒は飲まない
- テレビを見ない
優れた決断をするために不要な決断を排除する必要があります。
排除していけば自然と素晴らしい決断ができるようになると思います。
最近はUberやモバイルオーダーなどで、アプリ経由で食事を注文することが増えたので、おまかせ(ランダム)注文みたいなのも出てきてくれたらうれしいんですけどね。
食事を考える手間から解放されます。
また、予め決断しておくことは尊厳の輪を守ることにもつながります。
- 尊厳の和
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どんな事情があろうと妥協できない、個人的な優先事項や主義の明確な領域を、私は(「能力の輪」にならって)「尊厳の輪」と呼んでいる。
Think Clearly 学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法 —— ロルフ・ドベリ
周りに「この人はそういう人だ」と思われることで、決断がさらに容易になります。
あなたの確固たる意志が周囲の人に伝われば、自分が決断する前に彼らが決断してくれることもあります。
そうなれば、その分、あなたはもっと重要なことを決断できますね。
どのような場合であっても、その決断が正しいかどうかはわからないです。
それでも、賢明なあなたであれば、その決断が愚かであるかどうかの決断はできるはずです。
正しい決断を下すことよりも、愚かな決断を下さないことのほうが重要です。
アップサイドをつかむよりも、ダウンサイドを避けたいですね。