見栄を捨て去る——自分に自信を持つための考え方

ルイヴィトン、エルメス、シャネル——街中で見かける高級ブランドの品々。
買う機会は少なくても、その存在感は常に目を引きますよね。
でも、そのブランド品を身につけている人を街で見かけたとき、その人の顔を覚えていますか？

その「憧れ」の正体は？

意外なほどにその人のことは印象に残っていないはずです。
ブランド品は光り輝いているのに、その持ち主は光の当てられたマネキンのように背景へと溶け込んでしまう。

そう思うと、「私たちが本当に憧れているものは何なのか？」と考えてしまいます。
私たちは、誰か特定の人ではなく、ブランド品が身につけられた“理想の自分像”に思いを馳せているだけなのではないでしょうか？

「ブランド崇拝」の裏側にある本音

高級ブランドを身につけることが、本当に尊敬や賞賛をもたらしてくれるのでしょうか？

よく考えてみると、尊敬されるかどうかはブランドの価値とはあまり関係がありません。
むしろ、「高級ブランド＝尊敬される」という図式は多くの場合、幻想に過ぎません。

実際、あなたが「尊敬されたい」と心から願うような相手は、意外とブランド品には無頓着だったりするはずです。
ブランド物を身につけているからと言って、心から褒めてくれるわけでもなければ、興味を示してくれるわけでもない。
彼らは「その人自身」に価値を見出そうとしているからですね。

高級ブランドを身につけている人は、一見すると「お金持ち」に見えるかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか。

実は、見栄を張るために借金を重ねてブランド品を買う人も少なくありません。
生活を犠牲にして手にしたバッグや、ローンを組んでようやく手元にやってきた時計――それは本当にあなたを豊かにしているのでしょうか？

他者からの一瞬の賞賛のために、あなたの経済的安定や心の平穏を犠牲にしていないですか？

「自分らしさ」を取り戻すために

ここで欲望の方向性を少し変えてみましょう。
ただブランド品を買い漁るのではなく、「自分らしい生き方」を欲してみるのはどうでしょうか？

あなたが本当に欲しいものは、他人に見せつけるブランドバッグではなく、「自分を心地よく満たす何か」かもしれません。

それは、高価なスーツではなく、週末にゆったり過ごせるお気に入りの部屋着かもしれないし、無名の職人が魂を込めて作った一点物の食器かもしれない。
あるいは、ブランドロゴが付いていなくても、あなたの感性と心に「ピタリ」とはまるデザインのバッグかもしれないのです。

そんなふうに、自分らしさを大切にし、自分が本当に求めているものを手にする生活は、見栄で飾り立てた世界とは違った豊かさをもたらしてくれるはずです。
ブランド品に抱いていた「特別感」は幻だったかもしれませんが、それを手放して初めて見えてくるものがあるはずです。

重要なのは「なぜ欲しいのか」

もし、あなたが心から「これが欲しい！」と思える高級ブランド品があるなら、それを手にすること自体は悪いことではありません。

重要なのは「なぜ欲しいのか」という動機です。

他人に見せびらかすためでもなく、誰かにチヤホヤされるためでもない。
「このアイテムが、私の毎日を少しでも豊かにしてくれるから欲しいんだ」という、純粋な気持ちがそこにあるかどうかです。

そして、その気持ちに応えるだけの価値があると自分自身が判断できるなら、胸を張って手に入れれば良いと思います。

「ブランド品を身につけなければ、自分には価値がない」という思い込みから自由になること。

それは、あなたにとって本当に必要な“自信”を育む第一歩です。
見栄を捨てた自分は、何も身につけなくても魅力的な存在だと気づけば、より豊かに生きられるはずです。

「見栄」の渦から抜け出して、あなたらしい選択を

もし、あなたが今、ブランド品を見栄のために手に入れようとしているなら、一度立ち止まって、「それは本当に自分の幸せや満足感につながるだろうか？」と考えてみてください。

仮に、そのブランド品がなかったとしても、あなたは価値ある人間です。
あなたの存在そのものが尊重されるべきであり、ブランドロゴの有無によって、人としての価値が決まるわけではありません。

むしろ、肩の力を抜いて本当に好きなもの、心から満足できるものを選び取ることで、あなたはより豊かな人へと生まれ変わります。

次の週末、お気に入りのカフェでゆっくりコーヒーを飲みながら、本当に欲しいものは何か、じっくり考えてみませんか？

それは、最新シーズンの超人気ブランドバッグかもしれないし、まったく無名の小さな工房が手作りした、世界に一つだけのカップかもしれない。
「これが、私を幸せにしてくれる」と心底思えるものなら、値段やブランドロゴに囚われる必要はありません。

あなたが見栄を脱ぎ捨て、新鮮な気持ちで「自分にとって大切なもの」を選び取ったとき、その行為が生み出す満足感は、本物です。

自分らしく、胸を張れる選択をすることで、自分自身に対する尊敬と、周囲から得られる信頼が、結果的に育まれていくはずです。

ブランド品の呪縛から解放され、心から欲しいものを選び取る。
その小さな一歩が、今後のあなたの人生を、より豊かなものに変えてくれます。

そんな日々の積み重ねが、あなたを「尊敬される誰か」ではなく、「自然と魅力があふれ出す自分」へと導いてくれるはずです。

参考文献

サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット

created by Rinker

俺か、俺以外か。　ローランドという生き方

created by Rinker

Shunsuke

起業家、エンジニア、心理カウンセラー

ひとりの未熟な人間の現時点での思考メモ。
書かれている内容がすべて正しいとは限らない。
少しでも誰かを勇気づけられる言葉を残したい。